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ディン・Q・レ展:明日への記憶

世界でもっとも活躍するベトナム人アーティスト、待望の個展!

カンボジアとの国境に近いベトナム人のハーティエンに生まれたディン・Q・レ(1968年-)は、クメール・ルージュ(ポル・ポト派)の侵攻を逃れるため、10歳の時、家族とともにアメリカに渡りました。
大学で写真とメディア・アートを学んだ後、ベトナムの伝統的なゴザの編み方から着想を得た「フォト・ウィービング」シリーズを発表し、一躍注目を集めます。
ハリウッド映画のイメージやベトナム戦争の報道写真などを裁断し、異なるイメージを幾層にも編み上げたこれらの作品は、幼い頃にベトナムを離れ、アメリカ文化の影響を受けて育った自らのアイデンティティの問題に根差したものでした。

さらに国際的な評価を高めた作品《農民とヘリコプター》(2006年)では、自作のヘリコプターの開発に挑戦するベトナム人男性を中心に、ヘリコプターへの思いを語る人々のインタビューと、ハリウッド映画や報道フィルムから集めたベトナム戦争の映像を組み合わせ、ベトナム人と戦争との複雑な関係を描き出しました。
現在はホーチミンを拠点に、綿密なリサーチとインタビューに基づいた映像インスタレーションを通して、人々が実体験として語る記憶に光をあてながら、戦争や移民の問題を独自の視点で扱った作品を制作しています。

主な作品紹介

《農民とヘリコプター》2006

Collaborating Artists: Hai Quoc Tran, Le Van Danh, Phu-Nam Thuc Ha, Tuan Andrew Nguyen<br>Commissioned by Queensland Gallery of Modern Art, Australia<br>展示風景:森美術館(2015年)<br>写真:永禮賢
Collaborating Artists: Hai Quoc Tran, Le Van Danh, Phu-Nam Thuc Ha, Tuan Andrew Nguyen
Commissioned by Queensland Gallery of Modern Art, Australia
展示風景:森美術館(2015年)
写真:永禮賢
独自にヘリコプターを開発する農民と独学の技術者に焦点を当て、ベトナム戦争のアイコンであるヘリコプターにまつわるベトナム人のさまざまな思いを表現する。

《無題(パラマウント)》2003

Collection: Ann and Mel Schaffer Family, New York<br>写真提供:ベルビュー美術館、ワシントン
Collection: Ann and Mel Schaffer Family, New York
写真提供:ベルビュー美術館、ワシントン
ベトナム戦争やハリウッド映画、拾った写真のイメージなどをベトナムのゴザを編む手法 で制作するシリーズ。様々なイメージが見る人の位置によって変化する。

《愛国心のインフラI》2009

Courtesy of Elizabeth Leach Gallery, Portland
Courtesy of Elizabeth Leach Gallery, Portland
サッカーの試合で売る国旗を載せた自転車。
スポーツによって盛り上がる若者の安直な愛国心に作家は疑問の目を向ける。

歴史の中で語られることのなかった物語ーディン・Q・レの作品を読み直す

ベトナム戦争終結から40年、そして日本にとっては戦後70年を経た今、見えない力によって世界が再び戦争への道を進むことのないように、戦争がもたらした様々な問題についてもう一度深く考えることが求められています。
本展では、ディン・Q・レの創作活動を通して、これまで記憶された歴史の陰で語られることのなかった個人の記憶に耳を傾け、私たちひとりひとりのこれからについて考えます。

作家略歴

ディン・Q・レ
1968年、ベトナム、ハーティエン生まれ。ホーチミン在住。1978年、家族とともにア メリカへ移住。1989年、カリフォルニア大学サンタバーバラ校にて美術学士課程修了、 1992年、ニューヨーク視覚芸術学校美術修士課程修了。 主な個展にシャーマン現代美術基金(シドニー、2011年)、ニューヨーク近代美術館(2010 年)、タフツ大学アートギャラリー(マサチューセッツ、2009年)、アジア・ソサエティ (ニューヨーク、2005年)など。主な国際展にメディアシティ・ソウル2014(ソウル 市立美術館)、ドクメンタ13(カッセル、ドイツ、2012年)、シンガポール・ビエンナー レ(2008年/2006年)、第50回ヴェネチア・ビエンナーレ イタリア館(2003年) など多数。
会期 2016年3月19日(土)~5月15日(日)
開館時間 10:00~17:00※入場は閉館30分前まで
休館日 月曜日(ただし3月21日(月・休)を除く)、3月22日(火)
観覧料 一般1,030(820)円、大学生720(620)円、高校生・65歳以上510(410)円
※()内は前売りおよび30人以上の団体料金
※中学生以下無料 ※5月5日(こどもの日)は高校生無料
主催 広島市現代美術館 中国新聞社
後援 広島県、広島市教育委員会、広島エフエム放送、尾道エフエム放送
企画協力 森美術館

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